
今日紹介するのは「LEADBELLY(レッドベリー)」です。
何も言うことはない。最・高。聴けばわかる。
1885〜89あたりに、アメリカのテキサスあたりに生まれたらしいブルースマンです。
そのくらいの情報しかありません。
ブルースマンの場合、その人が亡くなってから音源が発掘されたりするので、情報=人の噂、だったりする。その情報が確かかどうかは正確にはわからない。ま、でも疑ったところで真実は見つからないので、情報を受け止めるしかないのですが。
で、この人、実はすっげぇ悪人なのです。
暴行事件などを繰り返し起こしていたそうで、遂には殺人罪で捕まっております。なのに、ギターと歌が素晴らしいという理由から刑務所からすぐに(収容2年くらいと聞いた)釈放されたという、むちゃくちゃな人です。
釈放しちゃいかんだろ。アメリカという国も本当にむちゃくちゃだ。日本じゃ有り得ないからね。殺人者をすぐに釈放することも、ギターの才能を認めることも。両方の意味で。
でも、そんな「むちゃくちゃ」のおかげで、こうしてCDを聴くことができるので、むちゃくちゃなアメリカには感謝してますが。このまま死刑にでもなっていたら、この素晴らしい音楽に触れることもできなかったわけだから。
まあ、この人、人間としては最低最悪の許し難い野郎だと思いますが、それと音楽は別。人格者だからという理由で音楽なんか聴かないでしょ。いや、そこを気にする人もいるな…。こいつは性格悪いからこいつの音楽は聴かない、とかね。そうゆう人の音楽性が私には理解できない。作り手が「いい人」でないと受け入れられないのかねぇ。なんてスケールが小さいんだ。
オイラはそんなもん関係ない。そいつが人殺しだろうが、良い音楽は良い音楽。
それに極論を言えば、「人間性」なんか誰にも解るわけがないのだ。
おっと、こんな話をしたいわけじゃない。
レッドベリーが素晴らしいという話しだ。
この人の場合、ブルース、フォーク、カントリー、なんて言葉じゃ表現し切れないぞ。まさに「音楽」そのものなのだ。自分の中に確実に「音楽」があって、その体から溢れてくるものを、ただギターと歌を使って表に出しているだけなのだ。彼にとってはギターと歌はただの「手足」に過ぎない。現代には、「ギターを弾いている」、「歌を歌っている」(←最大の皮肉)ミュージシャンが蔓延っている。そんなもん聴いてないで、真の「音楽」を聴いて欲しい。
レッドベリーの音楽は、陽気で心がワクワクする。例えるなら、遊ぶのが楽しくてしょうがなくて、はしゃいでる子供、って感じだ。とてもこんなゴツくて怖い顔したおっさんが出す音とは思えない。何の力も入ってない。何の意図もない。現代の音楽とは雲泥の差がある。歌はただの呼吸で、ギターはただそれをおもちゃみたいにして遊んでるだけ、って感じだ。はあ〜。ウキウキ、まったり、ぐで〜ん…。何て例えたらいいんだ。
ギターと歌だけなのに、なんでこんなに濃厚で厚みがあるんだ。完全に歌声のみの、アカペラのテイクもあるんだけど、これが本当に良い!!本当に、体の中にある音楽をそのまま出してるだけって感じなんだ。何この人、寝っ転がって歌ってんのかぁ?
レッドベリーの歌声単品を前にしては、クラシックもジャズも足元にも及ばない。
あ、もちろん、CDの音質は悪いですよ。録音は、1930年代〜40年代中期のものなので。ヒスノイズに覆われて曇ってます。
だけど、現代のプロツールスで録音したような色気も何もない薄っぺらい音なんかより、こっちの方が遥かに音楽性に優れているよ。音の立ち上がりがよくわかる。どんな場所で演奏してるのかも見えてくるような音。ちゃんと演奏者の姿が「見える」。現代のCDって演奏者の姿が「見えない」じゃん。あんな気持ち悪いもの、みんなよく平気で聞けるなぁ。
あ〜、にしても、良い音楽は売れないんだよなぁ。
今、レッドベリーのCDはどんなのが出てるのか、よく知りませんが、見つけたら即買いして聴いて下さい。今も昔もまったく売れていないので、いつ廃盤になってもおかしくないCDだと思うので。CDの状態で発売されたこと自体がラッキーだと思って下さい。